「裏もあります」
私はどうせろくなことしか書いていないのだろうと思い、紙を裏返しにしてみた。
刹那、ドスッという音がし、いつの間にかあたりが真っ暗になっていた。
手探りであたりを触れてみる。どうやら箱らしきものに閉じ込められているようだ。
「ちょっと!何するのよ!」
声をあげた。
「何って……。今手渡したものを見ていただければ……」
「真っ暗で何も見えないわよ!」
「あぁ、そうか。ですよねー」
と、彼はしれっといった。
「一言でいうなら、僕は裏社会に住む黒咲一族という組織の一員で、上には姉が三人いまして――、ってそれについては今のところどうてもいいんだ。
いや、どうでもいいという意味じゃあなくて、話の筋には関係ないということです。
こういっておかないと、後で一番目と二番目の姉が怒り狂うんでね。特に一番上の姉は――
。
……あっ、失礼。話がずれましたね。
ようするに、一言でいうなら、今から僕がアンタを殺すってこと」
―続く―