僕の彼女の1年間 夏

るか♪  2006-01-10投稿
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「弱ったなぁ……」
僕はいま、ある悩みにぶつかっている。
名前も知らない僕の彼女は
『山に行こうね!』
と、言うので今、山にいる――。
「何が弱ったなぁよ!情けない!」
「うるさいな」
人に下見や山の場所とりを任せておいて、いい気な物だな。
「若いんだから!キリキリ歩く!」
「あいにく僕は文系でね。」
あ、名前………。
「ねぇ……」
「あー見て見て!鳥が小鳥にエサあげてる」やっぱり人の話を聞かない子。
「人間もそうだけど、動物って愛する物の為ならば、何でもしてあげたいって思うの。ううん、むしろ、当たり前なんだ!私はそう思うの……」
――ああ、彼女はこれが言いたくて、誘ったのだろうか。
「頂上に行こう」
「うん、そうだね」
そして、かれこれ登って一時間。ついに――「わ。」
頂上で僕が最初に見た物。
夕日。
「綺麗…」
二人はしばらく間があいた。
感動、喜び、どんな感動か、言い表せない。しばらくして、彼女は「……あなたと一緒に見れて本当に良かった!」
そう。それは僕も同じ気持ちである。
「名前」
「ん?」
「教えてくれる?」
彼女はしばらく考えた「私は名前を聞いてほしくないの。だから、“アキ”って呼んで」「僕は猛」
「よろしく、なんてね!」
アキ、1年間、よろしくな。


そして僕らは、夏休みを迎える。

続く

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