バイクで20分、駅についた僕は、武人と噴水のふちに腰掛けた。雲一つない青空からは春の暖かい陽の光が降り注いでいた。 「お前も物好きだよなー、よりによって唯と付き合うなんて…。」 唯、こいつは僕の幼なじみの女だ。それと武人と付き合っていた。去年の5月ごろの話だ。バスケ部で練習中の唯を、僕が呼び出し校舎裏にいる武人の所につれて行き、武人が告白した。結果は、現状を見ての通り成功したのである。この時、の武人は俺に会うたびにノロケ話しをしてくるようになり、うざかったのを覚えている。しかし何故同じ高校なのに駅で待ち合わせするのだろうか?唯は今日も、バスケ部の練習があるはずだが…。 「ごめーん!まったぁ?」 ジーパンにロングTシャツ。なんともラフな格好で走ってくる背の高い女…唯だ。 「いや、全然待ってないよぉー!」 幸は、それを聞いて呆れていた。僕等がここについてから30分が経っていた。待ち合わせ時間は知らないが、僕は充分にまった。 「はっ?お前等!俺は待ったぞ!」 腹の底から怒りが込み上げてきた。 噴水の水が天に昇った。