「はっ?」
私は手渡された名刺を落とした。
何で?私が?
というか、今、彼は私のことを殺すといったのか?
何で私がつい先まで、見たことも、聞いたことも、会ったことも、話したこともないこのガキに殺されなくてはならないのだ?
というか黒咲一族って何?
何を生業としているの?
それとも何かの集団とか?
裏社会って?
何処にあるの?
どんな人たちが住んでいるの?
何時ごろできたものなの?
ここからどうやって行くの?
こんな『?』及び、ないないだらけのこのガキに一体全体どうして殺されなければならない理由があるというの?
「何故自分がと、お思いでしょうが、先日依頼がありましてねぇ。
某県立高校に通う女性からでして、今貴方が付き合っている高林君の元カノからです。
理由は『ムカつくから殺して』だそうで」
「代金はそれなりにいただきました。まぁ、モノですが。
某バンドグループの無名時代の超レア者のグッズで、しかもメンバー全員のサイン入り。
調べたところ、ネットオークションで競売にかければ、かなりの高額で落札されそうです。
いい物をいただいて、ありがたいですね」
―続く―