誠は気が付くと埃っぽい洋式の部屋にへたりこんでいた。人の居る気配はない。そして目の前には何故か日本刀が置いてある。
『ここは何処だ?それになんで日本刀が?』
しかしここでじっとしていても何もわからないので取りあえずこの部屋から出る事にした。
部屋から出ると同じ様な部屋がいくつもあった。そして自分の部屋のドアにはこう書いてあった。
〔202 原田誠 様〕『ここはホテルなのか?だがさっきの「鬼に殺さたら鬼になる。」ってのが気になるな…』
誠は刀を肩にかけた。紐が付いていている為、肩にかける事ができるのだ。そして最早誠は自殺の事など頭にはなかった。ただ状況を見極める事で精一杯だった。
誠は廊下を進む。そして途中他の部屋に入ろうとしたが鍵が掛かっていて中に入る事が出来ない。どの部屋もだ。
『もしかして名札が付いてないと入れないのか?』
そう思いながら進んでみると名札のある部屋を見つけた。
〔218 山田照夫 様〕
『ここの事について何か知っているかもしれない。』
誠は部屋に入ってみる事にした。
「コンコン…」
返事はない。
「コンコン…」
もう一度ノックしてみた。すると返って来た言葉は意外なセリフだった。
「入ってはだめだ!!入っては・・・ウワァァァァ!嫌だぁぁぁ!!やめろぉ〜!」
「グシャ・・・」