セントラル宇宙空港のロビーはもの凄く長い。
時には移動にオートモービルを使うほどである。
長いロビーを走るミユキと男。
その後を足を引きづりながら南方が追いかける。
男は筋肉質で背が高く、鋼鉄のような胸板を持っていて、目はどこか冷たい目をしている。
ミユキは南方とこの男以外にいろんな男子と関係を結んでいる。
南方はたまたま遊ぶのによさそうだったので、適当にストックとして選んだだけの男だった。
もちろん宇宙旅行のことはミユキにも計算外だったが、すぐに利用することを考えた。
南方は息を切らせながら必死であとを追いかける。途中で何度も吐きそうになったが、我慢して追いかけ続けた。
「まてよ!!」
南方は声を枯らして叫ぶ
「逃げんなよ!」
ただひたすら叫ぶ。
だがそんな声も二人に届かず、距離はだんだんと広がっていく。
そしてどこからともなくアナウンスが鳴る。
「到着。宇宙船ハニークラウン号。到着」
ついに宇宙船が着いたようだった。
二人は入場ゲートに走っていく。
あそこをくぐられては、本当におしまいだ。
南方は歯を食いしばって走る。
ちょうど山下との待ち合わせ時間になった。
続く