Jumpin' Five 13

曽根菜由美  2006-11-27投稿
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 文化祭が終わって、私はくたくたであった。
 病気をしていたこともあって、ゆっくりと休んでいないせいもある。まだ熱っぽい体で文化祭をこなし、次の日の日曜日は家で寝ていたいところである。しかし、今日はアンサンブルの曲の初めての合わせだ。言いだしっぺの私が行かない訳にはいかない。美加は午前中しか来れないし。これじゃあ、朝から行ってやんなきゃ5人揃って合わせができない。私は親が止めるのを振りきって、家を出た。音楽バカというのは、こういうのを言うのかもしれない。東部公民館までは、バスに乗って、電車に乗って、またバスに乗っていく。遠い。50分くらいはかかる。もっとかかる。
 1時間半くらいかかって、ようやく東部公民館に着いた。田舎ではないが、郊外という印象があるところに建っている。
 着いたらすぐ楽器運び。他のパートの人も手伝ってくれ、楽器はすぐに運べた。その次はセッティング。ティンパニの組み立てが大変なんだな、これがまた。
「あの、お手すきの方、ティンパニのこのねじを回すのを手伝っていただきたいんですが…一人でやってると朝になっちゃうんで、お願いします。」
岩田さんも訳わからない冗談を言うなぁ。
 私もそのねじ回しに参加した。そのとき岩田さんが、ふと、
「体、大丈夫だっけ?」
と聞いてくれた。
「ええ…あのあと39度以上の熱が出て、学校休んじゃったんですけど、今はもう。」
「あ、大丈夫なんだ。それは良かったっけ。」
私は大丈夫じゃないけど、大丈夫と答えて、ねじ回し作業を終えた。

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