〜Stliker〜哀編(19)

焼き魚  2006-11-28投稿
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ゲンに案内され、龍雅は自身のストライカーと再会を果たす。そのストライカーの名は『ディア=パノス』。龍雅は『ディア=パノス』の完全修復に乗り出した。
ガラガラガラ…
作業着に着替えた龍雅が工具一式を積んだ手押し車と共に現れた。綾香はストライカーを見上げたままだ。
龍雅「…綾香、寝るところを用意した。そこの自転車屋の3階の『春菊』と書かれた部屋を使ってくれ。ゲン爺さんにはもう言ってあるから。」
綾香は慌てて振返った。
綾香「んあ!?あっ!ごめぇん!ありがとう!!!わざわざ部屋まで用意してもらって!」
龍雅は親指で勝手口の方を指差した。
龍雅「…まだ日が暮れるまで時間がある。しばらく外を観光してくる方がいいだろう。」
綾香は軽くうなずいた。そして出て行く際に龍雅にこんな質問をした。
綾香「ねぇ!そのストライカーは龍雅の物なの?」
龍雅「あぁ、これは俺がまだ遊撃隊にいた頃に乗っていたものだ。もう昔の話だが…」
龍雅は工具を取り出した。
龍雅「じゃ、もう作業に入るからまた後で…。」
綾香は軽くうなずき、小屋の外に出た。
そして綾香が自転車屋の作業場を通り掛かるとそこではゲンがカップ麺をすすっていた。どうやら食事休憩のようだ。綾香は声をかけた。
綾香「あのぅ!あたし大庭綾香っていうんだ!よろしく!じぃちゃん龍雅と知り合い?」
ゲンは顔をあげた。
ゲン「ムッ!何じゃ!その口の聞き方は!!と、いつもなら言うんじゃが自分の名前をキチンと名乗っているからまぁいいか。確かに龍雅はワシの知り合いじゃ。ってか昔はここに居候してたんじゃ。」
綾香は更に質問した。
綾香「あのぅ、もしかしてそれは龍雅が遊撃隊にいた頃ですか?」
ゲン「そうじゃ、龍雅は連邦公国軍Z県長柄連絡駐屯地所属の民兵だった。あの頃から龍雅はませたガキでなぁ…。」
綾香「へぇ、龍雅ってどんな子だったの?」
ゲン「子供が大好きなファーストフードが大っ嫌いで菜食が多かった。あとは物凄い難しい本を読むのが大好きで…。」
綾香は龍雅の過去について熱心に聞いた。
ゲン「とにかく龍雅は生意気なガキじゃった。いつも敵が襲って来たら部隊の奴等とケンカして終いにゃ勝手に出撃して最後にワシから大目玉と言うのが…。」
その時この町の住民と思われる男性が駆け寄って来た。
男「大変だぁ!自転車屋!またジゴクワグマが来やがった!」
事態は急変した。

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