約束

伊吹  2006-11-28投稿
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今年でもう25歳になる。 周りは結婚ラッシュ…焦る自分…でも私だって生涯でたった一度真剣に恋愛をした。ひとりの人を心から愛した。人は心から愛せる人に出会うのは人生でたった一度だけなのかもしれない…そうだとしたら私の恋愛はもう終わっているのかもしれない…合コンに行っても、お見合いパーティーに行っても何か違う…寂しさを紛らわすために適当にデートもした。でも何か違う…答えはいつも一緒。私の恋愛はあの時に終わったんだ。 出会いは高校2年の春。いたって真面目で、年頃なのに恋愛に興味もなく、平凡な毎日を過ごしていた。物好きな男子もいるもので、そこそこもてて告白なんかもされてた。けど、いつも答えはノー。人を好きなるって何?そんなに簡単にできるもの?友達にいつも聞いてた。そんな男っ気のない私も恋をした。それが生涯一度の恋になるともしらずに…         「おい!吉田!また遅刻か!」教室に担任の声が響きわたる。「は〜い。すみま〜せん。」彼はふてくされて自分の席についた。「祐樹また遅刻か。やばいんじゃないの。」隣の席の男子が小声で話し掛けるが、彼は無言で居眠りに入る。なんか勇気ある子。私にはできない。そんなイメージしかなかった。休み時間。「お〜い。可愛い子探しに行こうぜ。」男子のひとりが彼に声を掛ける。「おう」彼は答える。なぜか彼の周りにはいつも人が集まっていた。やんちゃで、自由人で、のりのいい彼はみんなの人気ものだった。そんな彼が少し気になってはいたが恋愛の対象としては意識していなかった。「うちのクラスの女子さぁ7人しかいないくせに、みんなあかぬけない感じでつまらないよなぁ。」男子が影でコソコソ言っているのを知っている。40人中わずか7人の女子は確かに個性豊かだ。コスプレマニア、窓際族、芸能人のおっかけ。極普通の私がかわいく見える。「祐樹!あの子は磨けば光ると思わない。」「誰?」「あぁ。内藤さん。普通の子じゃない?俺は別に。」「え?じゃあ俺が頂き!」「おまえ手が早いな。」「もてるらしいよ。」「へ〜。あの子が。」「結構かわいいじゃん?」「そうかな?



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