中学3年生の12月、俺は学校の渡り廊下で部活の後輩と話をしていた。
拓也「晃良先輩!今って彼女いるんすか?」
晃良とは俺の名前だ。そして拓也はサッカー部の1つ下の後輩。後輩といっても小学校の時から一緒にサッカーをしている仲だそのこともあって後輩の中では1番話しやすかった。
晃良「え?今いないよ。そういう拓也はどうなんだよ。」
小学校からサッカー一筋だった俺は女よりもサッカーが大事だった。そのおかげでサッカーの名門高校に入学がきまっていた。
拓也「俺の女のことなんてどうでもいいんすよ。うちのクラスの女子で永沢美緒って女がいるんですけどね、先輩とメールしたいらしいんですよ。してやってもらえませんか?」
部活の方も3年が用済みとなった今、正直俺は暇だった。だから暇潰しという考えでメールしてみることにした。
(永沢美緒・・・どんな娘なんだろ。気になるな・・・)
昼休みに俺が1人でこんなことを考えてると、同じクラスの悠太が話しかけてきた。
悠太「晃良!なにぼーっとしてんだよ。なんか考えごとか?女か??」
悠太は小学5年生から同じクラスで部活も同じサッカー部だ。高校も同じところに決まっていた。しかし俺と違って女には慣れていた。
晃良「なんでもねーよ。お前には関係ないから、邪魔邪魔!あっちいけよ。」
俺は冗談半分で適当に返事をしたふりをした。
拓也「悠太先輩こんちわっす。晃良先輩!永沢美緒見に行きませんか?顔知らない娘とメールするのも嫌でしょ。」
拓也の一言で悠太は全てわかったような顔をしていた。俺は諦めて悠太にさっきあったことを全て話した。
悠太「おお!いいねー。今すぐ見に行こうぜ!」
だからこいつには言いたくなかったのだ・・・今さら言っても遅いが、とりあえず行くことにした。