「虹の丘はもうダメだ…撤退する…」
「残存艦隊に連絡しますっ」
「任せた…」
『やはり火星軍は強い…このままでは地球降下を許すことになる…』
火星歴0068年…火星評議会が開かれ地球政府に対しての姿勢と火星戦争法が制定された。
火星戦争法…内容は地球政府が無条件降伏をしなければ火星政府は戦争を止めないということを定めている。
「火星戦争法とかいう法ができたらしいですね。」
「あぁ〜俺も朝の火星ニュースで聞いたな」
「このままでは政府間戦争ではなく星間戦争になりますね」
「こりゃ…総動員になるな…」
俺の予想は当たった。第3軍は1500隻の艦艇と500隻の地球降下艦という編成だった。
地球での戦闘を視野に入れたこの編成は総動員になるという兆しだった。
「我々は月を制圧するための最終段階として『涙の海』を攻略する」
「月における地球軍最大の基地ですね」
「そうだ。恐らく月の全ての戦力が集結している筈だ。総力戦になるぞ」
「敵戦力はどれくらいですかね?」
「旧式艦や新造艦を含めると3000隻はいるだろう…」
「我々より上ですか…」
「いや、明後日には第3軍と合流する手筈になっている。第3軍の1000隻を合わせればこちらが圧倒的に有利だ」
「では攻略作戦は明後日以降ですか」
「そうなるだろうな」
「ここが月における我々の最後の砦だ…死守するしかない…」
「月における我々の戦力はほぼ涙の海に集結が完了します」
「いくつぐらいになったんだ?」
「3200隻足らずです。」
「なんとか戦えそうだな…」
「全艦に発令っ、準備の終わった艦から発進!!防衛線の構築にまわれ」
「了解しました」
「勝っても負けても月での戦闘はこれが最後になるだろう…」
続く