夜遅くにごめんぬ3

一色  2006-11-29投稿
閲覧数[335] 良い投票[0] 悪い投票[0]

出会いは偶然!ロマンチックに…が乙女の理想だけど、ヒカルと初めて会ったのは駅前にあるチェーン系列の居酒屋のしょぼい休憩室だった。自慢じゃないけど結構お金持ちの家に生まれた私はバイトなんてきっと一生しないだろうと思っていた。簡単にいえば父の仕事がうまくいかなくなってお金が必要になった。ヒカルの第一印象さえあやふやだ、そのくらい何もかもに必死だった。夕方から始まるバイトはもちろん男が多くて、中学から女子大までミッション系の女子校でぬくぬくと育った私は、手に汗にぎる思いだった。「男の人ってなんか苦手でぇ〜」なんてぶりっ子するつもりはないが、はっきり言って苦痛だった。思考錯誤の結果「男っぽい体育会系の女の子」を演じることで自然に打ち解けることができた。気がつくと大学や家で今までどうりの明るい自分を演じ、バイト先でお笑い系の女を演じていた。余裕がなかった。ただ誰かに抱きしめてほしかった。「大丈夫だよ」と言ってほしかったんだ。



投票

良い投票 悪い投票

感想投稿



感想


「 一色 」さんの小説

もっと見る

恋愛の新着小説

もっと見る

[PR]


▲ページトップ