大きな波がやってきた。「津波だ。」
そう思い、遠くに視線を 向けた瞬間、自分の足元がぐらついた。津波じゃない。島だと思っていた足元は、大きな鯨だった。50人ほどいた人々は次々に海に投げ出された。必死に岸へと泳ぎ、私は廃屋となった学校へと避難した。
廊下の長椅子に掛けていると、向こう側から歩いてくる3人がいる。人類が初めて月へと降り立った時に身に付けていた宇宙服を来ている。私は3人の内の1人と目が合い、直感した。
「殺される。」
そして、その一人が私の額に手をかざした時、私は意識を失うのを自覚しながら目を閉じた。