つまり柚木と慎は生い立ちも生活状況も正反対であるわけだ。そんな二人がこの二月の終りに出会ったわけで...
私はクリスマスが嫌い。どうしてなのか自分でも分からないが、街中がライトアップされクリスマスソングが...
淡い橙色の光が立ち込める研究室―― そこには、液体とある個体とが詰まった円筒が、幾つも疎らに...
プロローグ 誰にだって心に障害物があるよね。 何したって自分の事だから何も言わないよ...
柚木は戸惑っていた。何故ならお財布には未だ月始めだと言うのに1万円しかなくこのお金で何とか次の給料...
フォローする柚木に慎はほっとした顔でニッコリ笑った。「あのさ、今から会食会行くよね?俺とヒロと同じ...
慎は「会社の経費だからいらないよ」と言って柚木の手を引っ込めさせた。ヒロは「そーだよ、いらねーよ、...
チリンチリン…。 自転車のベル…。振り向いたとたん、通りすぎた黒装束。富山くんだ。彼はくるっ...
「すまない。進めていいよ。」 岩田さんは、そんな彼に気づいて、〈ノヴェナ〉の合奏に入った。岩田さ...
何人かゾロゾロと集まって行く中で各班の係長が会費を集め始めた。「今日は急遽決まった会食会で予約なし...